馬券ネオメソッド(レース回顧編)
菊花賞の回顧
第77回菊花賞
1着
サトノダイヤモンド
2着
レインボーライン
3着
エアスピネル
ラップ:
13.0-11.3-11.0-12.4-12.2-12.7-13.6-13.2-12.3-12.7-12.2-12.0-11.6-11.5-11.6
時計:3.03.3
今年の結果で見るべきポイントは、サトノダイヤモンドが勝ってディーマジェスティが4着に敗れたこと。この比較です。
この2頭は同じディープ産駒ですが、母系の構造が全く違います。サトノダイヤモンドはどちらかと言えばスピードが勝った母系であり、ディーマジェスティはブライアンズタイムにサドラーズウェルズというスタミナ型の母系。個人的には、この差が今回の勝敗を分けたポイントだったと思います。
結論から言えば、ディーマジェスティの血統構成すら、もう最新の菊花賞では古いのでしょう。10年、いや、5年くらい前なら、おそらくディーマジェスティの方が圧倒していたんじゃないでしょうか。それほど、ディーマジェスティの母系は“菊花賞向き”と言えるものでした。しかし、結果的にこれがキズになってしまうのですから、時代の流れとは恐ろしいものです。
私の立場では2頭ともあまり関係ない馬でしたが、同じディープ産駒でも、来るなら“いかにも”なディーマジェスティではなく、距離に苦しみそうなサトノダイヤモンドの方なんだろうなぁという漠然としたイメージがありました。今回、『母系米国血統内包』という新しいテーマを予想に加えましたが、そこで言いたかったことが、まさに今回のサトノダイヤモンドとディーマジェスティの差なんですね。
2着レインボーラインに関しても同じようなことが言えて、これも父ステイゴールドに母母父アンバーシャダイ系なら文句ナシながら、母父フレンチデピュティがネックになりそうなところ。フレンチデピュティから天皇賞・春を勝ったアドマイヤジュピタが出ていることを根拠に、フレンチも長距離で走れるという判断も可能だったかもしれませんが、そうではなくて、ここに馬力型のフレンチがいたからこそ、レインボーラインは好走できたと考える方が、最新の菊花賞では自然なのでしょう。母系ボールドルーラー内包であったり、母父が短距離型のミスプロであったり、今後もそんな非スタミナ性を持った血を多少持っていることが、このレースで好走するための条件になったということだと思います。
3着エアスピネルは、本当に生まれた年が悪かった馬の典型例のような馬ですが、今回も本当に頑張って走っています。また、多少折り合いを欠きながら、ワザを尽くして粘らせた武豊騎手の手腕も見逃せません。内枠を引いていれば、さらに上の着順があったのではないでしょうか。ちなみに、見逃せないポイントが神戸新聞杯で目一杯控えて差す形を試したこと。あれでこの馬の基本性能をまたひとつ掴んだんだと思います。『溜めるだけ溜めても使える脚は大して変わらないんだな』と。トライアルを本番に向けての試走と考えれば、あの敗戦は武豊騎手にとってしてやったりの内容だったのでしょう。諸々、さすが4000勝ジョッキー。
キンカメにサンデー、そしてノーザンテーストという、総合力の塊のような万能血統。今回は3歳馬同士ということもあって距離をこなしましたが、本質的にはもう少し短い距離向きは明らか。古馬になって適距離を使ってくるときが楽しみですね。
最後に、期待したカフジプリンスについて。トニービン内包やロベルト保持だけでなく、母系の底にシーキングザゴールドを持っていることが最大のポイントと見ており、かなり手応えのある本命馬ではありました。ただ、何しろ仕掛けるタイミングとポジ取りがマックスレベルに難しい馬なので、色々な状況が噛み合わないと苦しいということだったんでしょうね。
個人的には、(こんなことを私が考えても意味ないんですが)デルタブルースのようなイメージで乗ってくれればチャンスがあると思っていて、実際、岩田騎手もそう考えていたように思います。パトロールを見る限り、坂の上りのところで外に出すタイミングを計っていたように見えました。ところが、実際は外からずっとブロックされ続け、結局馬群に閉じ込められたまま。直線で前が詰まる不利はありましたが、そのツーテンポくらい前のタイミングで勝負は決していました。坂の下りを十分に使えず、4角であの場所にいたら、こうなることは目に見えていました。それでも最後まで伸びているわけですから、力と適性は十分あったと考えています。
待望の新刊!境和樹の【単複論! 実践編】 絶賛発売中!
『単複論!実践編』の購入はコチラ
▼境和樹への応援メッセージはコチラ▼
Mail:cheer@umasq.jp