馬券ネオメソッド(レース回顧編)
阪神JFなど3重賞の回顧
第70回阪神JF(GⅠ)
1着
ダノンファンタジー
2着
クロノジェネシス
3着
ビーチサンバ
ラップ:
12.2-10.7-11.9-12.2-12.1-11.0-11.8-12.2
時計:1.34.1
この週の阪神芝コース。極端なトラックバイアスとまでは言えませんが、若干、内ラチ沿いが有利でした。土曜日から逃げ馬の好走が
目立ちましたし、差し馬でも内をすくう形が頻発しました。
それを考えれば、このレースは一言、「上位4頭が抜けていた」という結果だったと思います。特に上位の2頭は道中後方で脚を溜め、直線も大外に持ち出してのマッチレース。それを追い駆けた3、4着馬も馬場の真ん中より外。内で上手く乗ったプールヴィル、メイショウショウブが続く5、6着に入ったことで、より、上位4頭の力量差を鮮明にすることになりました。
2着クロノジェネシスは、出遅れが直接的な敗因ではありますが、初のマイルで今までより後ろの位置からメンバー最速の上がりを使ったという点で収穫はあったと思います。
この馬はノームコアの下。ノームコアがハービンジャー産駒で、こちらはバゴ産駒。ともに欧州血統を父に持っているという共通点も含めて、もう一段階強くなるのではないかと踏んでいます。良い馬です。
3着ビーチサンバも悪い競馬ではありませんが、この馬は父がクロフネ。ご存じのとおり、クラシック前哨戦までが旬で、本番になると他馬の成長力に抗えないケースが目立つ血統です。このチャンスを活かし切れなかったことが、後々まで響くという可能性も考えておいた方がいいかもしれませんね。
期待したメイショウショウブは6着まで。冒頭にも書いた通り、この週の馬場傾向に沿った競馬をしての結果ですから、力負けと言わざるを得ません。
ただ、重賞をスパッと勝ち切るような大物感はありませんが、今後も色々なところで穴っぽい活躍を見せてくれるはずです。
第11回カペラS(GⅢ)
1着
コパノキッキング
2着
サイタスリーレッド
3着
キタサンミカヅキ
ラップ:
11.8-10.3-11.3-11.8-12.1-12.9
時計:1.10.2
コパノキッキングは、これで1200以下の距離で6戦6勝。対して、1400では2戦2敗。
今回、コパノキッキングの課題は芝スタートにあると見ていました。それは、勝ったレースがいずれもオールダートで、敗れた2戦がともに芝スタートだったから。
もし、得意の1200で取りこぼすようなら、おそらく芝スタートがサッパリなんだろうと考えていたのですが、アッサリ結果を出してしまいました。
そもそも既走馬相手のデビュー戦の勝ちっぷりが破格。この時点でバケモノ級かもしれないと見ていましたが、その後も札幌の勝ちっぷりも1000戦では滅多にお目に掛かれない重賞級のそれ。遅かれ早かれ短距離で重賞を獲るだろうと思っていたところ、なんと、同年に結果を出してしまいました。これはビックリのスピード(そもそも、今年9回も使っているんですね)。
父スプリングアットラストは、アメリかで1800のGⅠを勝っている馬ですが、この馬は極端に距離適性の幅が狭く、1400でも能力は半減します。それはこれまでの成績が示す通り。今後は、1200以下にこだわって使うことになるでしょうが、その路線ならひょっとして永遠の関門と思われていた本場のGⅠにも手が届くかもしれません。
余談ですが、凱旋門賞に関しては日本馬が既に勝って不思議ないレベルにあると見ていて、あとは状態と作戦さえ噛み合えば時はいずれ来ると楽観しているのですが、アメリカのダート短距離GⅠだけは、一生無理だろうなという意識があります。それくらい、本場のGⅠはライバルの造りもレースの流れも違います。
そんな高すぎる壁に堂々と挑戦できる馬が現れた。そんな印象。是非、目指してほしい。
血統面のお話も。
やはり、今年もサンデー系産駒が好走。二択を引き負けるという痛恨事はひとまず置いておくとして、わずか2頭のテーマ該当馬、しかも、いずれも超が付く人気薄ながら、そのうちの1頭がシッカリ馬券に絡む。これほど強力な血統パターンも珍しい。
来年以降も、カペラSは良馬場ならサンデー系産駒、道悪ならミスプロ系産駒に注目が必要です。
第54回中日新聞杯(GⅢ)
1着
ギベオン
2着
ショウナンバッハ
3着
ストロングタイタン
ラップ:
12.6-11.0-12.2-11.5-11.4-11.8-12.3-12.3-11.8-12.4
時計:1.59.3
ボールドルーラー系内包馬のショウナンバッハが12人気2着。候補馬の中から本命に抜擢できなかったことは残念ですが、やはり、最近の中京芝2000重賞はこの系統が強いですね。
勝ったギベオンが母父ゴーストザッパー、3着ストロングタイタンがリーガルランサム×ティズナウと、米国性の強い馬力血統保持馬該当馬固めてきたことも含めて、「ダート的馬力」が今のこのコース重賞のトレンド。来年もこのスタンスで攻めていきたいところです。
勝ったギベオンは3歳馬。今週はいたる所で3歳馬が結果を出してきましたが、この馬もその一環。世代間レベルという観点はあまり好きではありませんが、アーモンドアイ、ルヴァンスレーヴを筆頭に、芝短距離はダノンスマッシュ、ダート短距離はコパノキッキング。マイル路線にダノンプレミアムあたりが使ってくるようなら、文字通り、来年の競馬は4歳馬が席巻することになりそう。古馬陣の奮起に期待したいところです。
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