境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

フェブラリーSなど4重賞の回顧

第36回フェブラリーS(GⅠ)
1着インティ
2着ゴールドドリーム
3着ユラノト

ラップ:
12.4-11.5-11.9-12.2-12.2-11.6-11.4-12.4
時計:1.35.6


このレベルの馬が前半3F35.8秒で逃げれば、そりゃ止まらないよねという意見がある一方で、今週の東京ダートは逃げ馬にとってかなり厳しい設定であり、それを考えればやっぱりインティは強いなという印象。今週は、本当に判で付いたように逃げ馬が3着に収まるケースが非常に多く、結局、逃げ切ったのはこの馬だけでしたから。

インティについては、これまでの回顧コラムで書いた通りです。なかなか珍しい“目に見えて強い馬”。つまり、ラップ、時計で強さをストレートに表現するタイプの馬。言い換えれば、「客観性のある強さ」です。

今回に関しても、展開利や色々と恵まれたという評価が出そうですが、手元の計算で+1.3秒という時計の掛かる馬場で1.35.6秒は水準以上の時計ですし、緩い前半にも関わらず全体時計を押し上げたのは、ひとえにインティの力に他なりません。

ちなみに、同じく序盤がスローで流れた14年(勝ち馬コパノリッキー)と比較すると……

14年 1.36.0 前半4F48.0秒 後半4F48.0 馬場差+0.9秒
19年 1.35.6 前半4F48.0秒 後半4F47.6 馬場差+1.3秒

単純計算で、14年のコパノリッキーより0.8秒前にいることになります。同じスローで流れたレースでも、数字上の価値は今年の方が断然高いといえます。
もちろん、周りが強いインティに強い競馬をさせてしまったという点はあると思います。揉まれたらどうなるかはまだ未知のままですし、玉砕覚悟でハナを叩きにくる馬がいたらどうなるかは分かりません。

ただ、これはいつも言うことですが、強い逃げ馬というのは、そもそも競りかけられないし、揉まれないんですよね。そういうケースを想像するだけ無駄で、終わってみたらいつもと同じ楽逃げ切りというケースは非常に多いです。
理由はこれもいつも言っているとおり。競馬は1VS他の構図でやるわけではないので、1頭を徹底的に負かしたところで、他の馬に利を攫われたら何の意味もないからです。結果、競りかけるだけ損、邪魔したところで他馬に漁夫の利を攫われるだけなら、黙ってペースに乗っかりましょうという結論に至ります。
これは、決して積極性の欠如ではありません。競馬というゲームの性質上、当然の帰結です。だから、強い逃げ馬は厄介なんです。

2着ゴールドドリームも立派です。完全に相手の土俵で戦っているわけですから、負けるのは仕方ない。よく差を詰めていると思います。この馬もやはり強い馬です。


第54回京都牝馬S(GⅢ)
1着デアレガーロ
2着リナーテ
3着アマルフィコースト

ラップ:
12.2-11.2-11.3-11.6-11.8-11.0-11.9
時計:1.21.0

注目血統として強調していたマンハッタンカフェ産駒デアレガーロが勝利。単勝3620円、複勝1000円……さすがに目の前が真っ白になりました。正直、ここまで人気がないとは全く想像しておらず、確定後のオッズを見てゾッとしました。

とはいえ、今回はデアレガーロが悪いというより、ハーレムラインの方に未知の魅力を感じていたので、ご参考いただいた方には申し訳ない限りですが、個人的には納得しています。
いずれにしても、1400重賞におけるマンハッタンカフェ産駒の破壊力を改めて証明したこのレース。今後も、この血統傾向は忘れずに覚えておきたいところです。

それにしても、デアレガーロは+32キロでの重賞勝利。ここまで大きな馬体増で勝った馬はちょっと記憶にありませんが、それだけ急成長していたということでしょうか。それと同時に、改めて育成技術の進歩に驚かされます。
レース自体も、馬場の真ん中より外が伸びる今の京都芝コースを正確に把握した巧みなレース運びが光りました。

その馬場を考えると、3着アマルフィコーストはちょっと信じられないレベルの頑張り。相当な荒れ馬場巧者なのでしょう。今後もこういった馬場設定では注意が必要です。

休み明けだったエイシンティンクルは、もっと時計の出る綺麗な馬場の方に適性があるタイプ。この日の馬場では持ち味の半分も出せなかったと思います。この後、無事に使えるようなら見直しが必要です。


第69回ダイヤモンドS(GⅢ)
1着ユーキャンスマイル
2着サンデームーティエ
3着カフェブリッツ

ラップ:
13.3-11.6-11.9-12.3-13.0-12.4-12.7-13.8-13.3-13.1-13.0-12.6-12.1-12.0-11.3-11.4-11.7
時計:3.31.5

勝ったユーキャンスマイルは、ここでは力が違うといった圧巻の内容。4角で最後方に下がったところではどうしたことかと思いましたが、内に進路を取ると、周囲を跳ね除けるような力強い脚でアッサリ抜けてしまいました。長距離馬としての資質はかなり高いタイプなので、これは(手薄な)天皇賞・春路線ではトップグループに躍り出たと考えていいでしょう。

ただ、お世辞にもレベルが高いとはいえなかったメンバー構成とレース内容。特殊条件ゆえに格下馬にも十分チャンスがあるレースとはいえ、2着サンデームーティエは1000万でも大敗を続けていた馬。長距離に対する適性を隠していたというより、ユーキャンスマイル以外の馬がちょっとダラしなかったかなと。

いつも言っていることですが、長距離を走れるくらいのスタミナがなければ、本当に強い馬は産まれません。その意味で、長距離路線の衰退は、10年、20年のスパンで見た場合、競馬界全体の著しいレベル低下に繋がりかねません。
今回のダイヤモンドSで、いかに長距離路線がアルバート、フェイムゲームといったお馴染みの馬に支えられてきたかハッキリしました。今後が少し心配になるレースとなってしまいました。


第53回小倉大賞典(GⅢ)
1着スティッフェリオ
2着タニノフランケル
3着サイモンラムセス

ラップ:
12.2-11.1-12.3-12.0-11.8-11.9-11.7-11.6-12.1
時計:1.46.7

マルターズアポジーの出遅れという波乱含みの始まりとなった小倉大賞典。もっとも、マルターズアポジーに関しては、前走後の福永騎手のコメントで「ゲート内の駐立が悪くて……」と出ており、しかも、確かに出てから一完歩目に微妙に躓いています。後になって思えば、こういう危険性も多少はあったのかもしれません。

その出遅れを見て、機を見るに敏、果敢にハナを切ったサイモンラムセスの判断は見事でした。大逃げに見えて、実は序盤はそう無理なペースでもなく、結果的に序盤の貯金が最後の踏ん張りに繋がりました。

勝ったスティッフェリオは、これで小回りコース【5-1-1-3】、物凄い適性ですね。一時は北海道シリーズに好走が偏っていたので、滞在が合うタイプかと見ていましたが、根本的に小回りのコーナー4つに滅法強いのでしょう。

2着タニノフランケルは、自分の形でレースを進めましたが、組み立ては難しかったでしょうね。相手を絞りにくいメンバー構成だったので、仕掛けのタイミングが図りにくい。そこに来て、やはり小倉巧者の川田騎手はさすがだったと思います。




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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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