重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner
陣営が見据えるのはG1かそれとも…
アルゼンチン共和国杯の金言
アルゼンチン共和国杯(G2、東京芝2500m)は、ジャパンC(G1)や有馬記念(G1)に向けて重要な位置づけのレースです。
ひと昔前だと2007年アドマイヤジュピタ、08年スクリーンヒーロー、10年トーセンジョーダン。ここ最近でも15年ゴールドアクター、16年シュヴァルグラン、17年スワーヴリチャードと勝ち馬が後にG1馬になる出世レースとなっています。
競馬関係者にとってはG1レースを勝つことが最大の目標で、相応の期待馬がいるのであれば逆算をしながらレース選びを行っていきます。そこで「力試しをしたい」「G1出走の賞金を加算したい」という時に理想的なのがアルゼンチン共和国杯というわけです。
もちろん、上記のようなG1候補が毎年必ずいるわけではありません。陣営がレース選びをする際、様々な思惑がある中で「ハンデG2で手堅く賞金を獲得したい」というパターンもあります。
これはG1を使って力負けを実感すると出てくる発想です。馬主からの要望で強引にG1を使うことにならない限り、調教師としては力関係を見極めて冷静に出走レースを選択しないといけません。
アルゼンチン共和国杯における前走のクラス別成績を振り返ると、興味深い傾向が浮かび上がってきます(過去10年)。
2勝【0.0.1. 1】複勝率50.0%
3勝【2.3.3.17】複勝率32.0%
OP【1.2.2.34】複勝率12.8%
G3【0.0.1.16】複勝率5.9%
G2【4.4.2.54】複勝率15.6%
G1【3.1.1. 9】複勝率35.7%
春にG1を使ったことで秋の方針を決めている馬、条件クラスで好走した勢いでチャレンジしてくる馬が多数活躍しているのが分かりますね。
今回、前者にあたるのが
オーソリティ。有馬記念や天皇賞・春では2桁着順に敗れましたが、斤量増を覚悟の上で昨年勝利したレースに出走してきました。
今年のメンバーでは実績が抜けていますし、“名より実を取る”と勝ち負けを意識して送り込んでいるのでしょう。
後者にあたるのが
アンティシペイトや
フライライクバードです。いずれも3勝クラスを勝ち上がってきた勢い、長距離適性があります。ここをキッカケにさらなる飛躍があっても驚けません。
このように、競走馬には1頭毎に異なる陣営の思惑が潜んでいます。馬柱を眺める際には、ただ成績を見るのではなく、臨戦過程やレース内容に注目してみるとワンランク上の予想ができるはずです。
PR的中の明暗を分けるのは…
アルゼンチン共和国杯は長距離のハンデ戦。SNSやWEBサイトで様々な情報が飛び交いますね。
ここで元調教師の私から皆さんに聞いてみようと思います。皆さんが参考にしているその情報は、予想の本質を捉えていますか?
重要なのは、出走させる側の思惑が反映されているかどうかです。重賞レースでは、これが的中の明暗を分けると言っても過言ではありません。
元調教師の私が、出走させる側の思惑をしっかり見抜いて厳選した候補馬を教えます!
競馬ファンとは一線を画す視点で選び抜く馬券候補を、ぜひ予想に活かしてください!
アルゼンチン共和国杯(G2)
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